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福岡地方裁判所久留米支部 昭和26年(ワ)193号 判決 1952年5月27日

原告 柳潤成

被告 筑邦貨物自動車株式会社

主文

原告の請求は之を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

原告は、被告が昭和二十六年八月十日附を以て原告に対してした解雇の意思表示は之を取消す、被告は原告に対し金三万五千百三十五円及び昭和二十六年十一月一日以降判決確定に至るまで一ケ月金一万五十円の割合による金員を支払うべし、訴訟費用は被告の負担とするとの判決を求め、其の請求原因として

一、被告会社は、久留米市において貨物自動車による一般貨物運送業を営むもの、原告は其の従業員であり自動車運転免許を受けて運転の業務に従事していたものであるが、昭和二十六年八月十日、被告会社は原告が同年七月五日久留米市警察署に賍物運搬の被疑事件で検挙され、当時新聞紙上に報道されたことを理由として被告会社の信用を著しく失墜し、営業上多大の損害を与えたものとし、原告を解雇する旨通知した。

二、然るに、原告は右検挙取調後旬日にして犯罪の嫌疑なしとの理由で、福岡地方検察庁久留米支部で、不起訴処分となつたものであるが、前示新聞の報道は原告の勾留中にされ、釈放後被告会社が原告を解雇するとの風評があつたので、原告は、同年七月十五日被告会社に対して就労方を申入れ、同会社本町支店において之を交渉したところ、同支店長村田定太郎は「新聞紙上にさわがれているので早急には取計らい難いが会社重役とも相談の上善処する」旨申述べていたが「関係者は此の際一応退職することが円満解決の途である」との同月二十日附右支店名義の書簡を原告の義弟で被告会社従業員である青松邦男に托して来たので、原告は直ちに同支店を訪れ退社の意思なき旨を告げ、其の後も交渉を続けたが結局前示の如く八月十日附で解雇の通告を受けるに至つたのである。

三、尤も新聞紙上には、原告の被疑事実は恰も確定的犯罪の如く報道されたもので、此のような人権を無視した無責任な新聞報道には呆れる他ないが、被告会社が此の報道を以て直ちに「会社の信用を著しく失墜し営業上打撃を受けた」となすのは余りにも主観的で之によつて会社が実質的に如何程の損害、受註減を来したかは勿論原告の知る由もないが、一従業員を解雇しなければならぬ程重大な影響があつたとは常識上からも経験上からも考え及び得ぬことである。

四、然るに、被告会社は飽くまでも信用問題だけで解雇と云う労働者にとつて致命的な処分を強行しようとするのは余りにも酷と謂わねばならない。ところが本件解雇を以て、たとえ就業規則の存在により合理化せんとするけれども、それが法的拘束力を有するが故に、また使用者の恣意に委さるべきでない以上、使用者は客観的に妥当なる就業規則の適用をすべき義務があるのに、前記一の被疑事件をとつて(一)已むを得ざる事業上の都合に依るときか(二)精神又は身体に故障があるか又は虚弱、老衰疾病のため義務に堪えられずと認めたときか、(三)不都合の行為があつたときか(四)其の他前各号に準ずる程度の已むを得ぬ理由があるときかによつて三十日前に解雇を予告するか又は三十日分の給与を支給した上解雇する旨の就業規則第六十三条の規定にそのいずれかに当てはめるならば、その(一)(二)に当てること至難であろうから、その(三)か(四)であろうと思われる。その(四)の規定の不明確さはとらないとしても(三)の労働者の不都合な行為を以て本件解雇の理由とするならば、此の原告の不可抗力に出ずる嫌疑と、その報道がなされたこと、従て被告会社の信用を失墜させるに至つたことは、原告たる労働者の責に帰すべきものではないと考えるものである、そこで仮に先の(一)によるものとしても已むを得ざる事業上の都合となす程の損害でもあるまいこと前記三に述べる通りであつて之も亦依拠すべきものではあるまい。

五、ところで原告は前述一乃至四の事実と考慮の下に、昭和二十六年九月三日被告会社が僅少の解雇予告手当等をもつて解雇を迫るので、緊急の事態を防ぎ、被告会社に対する当事者外の批判によつて原状を維持しようと希い、原告は被告会社を相手として当裁判所に仮の地位を定める仮処分命令の申請をし、昭和二十六年九月二十一日に至り被告会社が昭和二十六年八月十日原告に対しなした解雇の意思表示の効力を停止する旨の判決を得たのであるが、被告会社は其の後もなお原告の復職就労を肯じないものである。

六、そこで原告はなお次の事由を挙げて被告会社の解雇の強行の不当なることを主張する。

原告は昭和二十一年十月被告会社に就職以来終始会社のため営々として働き、その間一回の運転事故もなく、会社第一顧客大事に勤め、出勤率も会社内で最も良好であつたものと思うが、被告会社においても右多年の努力は前記解雇通知書の中において暗に認めている所である。然らば、対外的信用の一時的失墜の懸念から、一片の通告を以て原告を解雇することは、まことに非情不当であろう。現在数多の失業者の犯濫する巷に斯の如くして放り出されることは、生活の途を断たれ、餓死に追いやられるに等しく此の点もまた本請求の一原因とする。

七、更に原告は被告会社の行き過ぎた不当な右解雇により次のような損害を蒙つたので之が賠償を請求するものである。即ち

(1)  被告会社は原告が前示一の被疑事件により検挙勾留された昭和二十六年七月五日以降を稼働外期間として、その賃金額算定及び支払方を肯じないが、原告は無実の疑ではあつたが匂留中は問題外においても、同月半ばには不起訴釈放されたので、前記本町支店に就き支店長村田定太郎に対し不測の難をうけた事に自分の注意を誓い乍ら復職就労方を懇請したのであるから次の期間の賃金の損失をしたものとして本訴請求の賠償額とする。

(2)  原告は近々六ケ月即ち昭和二十六年一月一日から同年六月末日に至る間各月賃金として支給された額を総計し之を百八十円で除した金額を平均賃金並に月間日割計算の基礎とする。

そこで一月一万百三十六円、二月一万二千百二十七円、三月八千七百六十七円、四月一万三百七円、五月九千二百二十円、六月九千七百六十七円を夫々被告会社は原告に支払つているからその合計金六万三百二十四円を百八十で除した金三百三十五円が一日平均賃金である、就労を拒否された七月の半月分を五千二十五円、八、九、十月は各三十を乗じた各一万五千円以上合計三万五千百三十五円が原告が即に蒙つた賃金不払による損害金である。

(3)  更に本訴提起後毎月右と同様各月間一万五十円の賃金相当の損害を蒙るので、本件判決確定まで毎月金一万五十円の割合の賠償を求めるのである。

と陳述し、原告の主張に反する被告代理人の主張事実を否認した。

(立証省略)

被告訴訟代理人は主文同旨の判決を求め、答弁として

一、請求原因第一項の事実は之を認めるけれども、被告会社が原告を解雇したのは原告主張理由の外、原告は平生従業員としての服務上数々の不都合な行為があつたので、偶々本件被疑事実の発生に際し断固として解雇しなければならなかつたからである。

二、請求原因第二項の事実は之を認める。

三、請求原因第三項の事実は之を争う。蓋し原告が賍物運搬の嫌疑を蒙るに至つた所以のものは、当時の主観的客観的事情から観察して原告の所為が犯罪を犯したと疑うに足る事実が認められたからであつて、原告の自業自得と謂わねばならない。

右被疑事実が、被告会社に対する社会的信用、特に従来の取引先(荷主)の信用を失墜するに至つたことは荷主に対する高度の信用の獲得を条件とする運送業の基本的性格に鑑み容易に認識し得るところである。

右被疑事件が不起訴処分になつた理由が那辺にあろうとも、原告の所為が被告会社の就業規則第六十三条第三号「不都合の行為があつたとき」に該当する不信行為であつたことは事実である。

四、請求原因第四項において原告は解雇された根拠につき被告会社の真意を彼是憶測詮議しているが、被告は卒直に次の通り釈明する。

(1)  被告が原告を解雇した根拠は、被告会社の就業規則第二十三条第八号及び第六十三条第三号に該当するものと認めたからであることは勿論であるが、被告は原告の所為が悪質であり情状において斟酌すべき余地がないと認め、昭和二十六年七月二十一日附を以て、労働基準法第二十条第一項但書後文「労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合」に該当するものとして久留米労働基準監督署長に対し解雇予告除外認定申請書を提出したところ、同月二十六日附で右申請は認定されたので、原告に対し同年八月十日附を以て即時解雇の通告をしたのである。

(2)  然るに同月十三日、被告会社本町支店長村田定太郎は、労働基準監督官姉川定隆から「当署の七月二十六日附解雇予告除外認定は都合により取消す。原告の申出もあるので会社の就業規則第六十三条又は労働基準法第二十条の所謂最低三十日分の平均賃金を解雇予告手当として支出して解雇され度い」旨勧告されたので村田定太郎は之を応諾し、同月二十日本町支店において解雇予告手当を支払うから、原告に対しては退職届を持参することを伝言され度いと依頼して同署を辞去した。

隅々原告も八月十三日同署に呼出されていたので、姉川監督官は早速原告に対し、被告会社の誠意あるところを告げて斡旋されたので、原告は解雇を納得したものである。然るに其の後に至り、原告が故意に解雇予告手当を受領することなく濫りに解雇の効力を争うことは遺憾千万である。

(3)  以上の経緯により、被告は八月十日附を以て即時解雇の意思表示をしたが、八月十三日姉川監督官から解雇予告除外認定の取消通告を受け、且つ同監督官の申出により解雇予告手当を支出することを応諾したこと、同日原告も亦此の事実を諒承している事実により、原告に対する解雇は、八月十日の解雇の意思表示の日から、三十日を経過したとき又は同年九月七日の解雇予告手当金の供託により有効となるものと思料する。

五、請求原因第五項中原告主張の仮処分申請事件において被告が敗訴したことは之を認めるが、該事件の判決は審理不尽であるから被告は控訴を申立てゝ今尚争つているのである。原告は被告が昭和二十六年九月三日僅少の解雇予告手当を以て解雇を迫つたと主張するが被告は之を争う。蓋し被告が就業規則又は労働基準法所定の解雇予告手当を原告に提供したのは、所管官署の勧告と原告の申立によるものであるから「僅少」と非難するは当らない。

六、請求原因第六項の原告主張事実は之を争う。同項における原告の自らを賞揚する主張は、八月十日の解雇通告書中に「貴殿多年の努力を水泡に帰するに忍びず」との文句を捉えての主張と思料するが、被告の真意は、原告の将来を考慮し、殊更懲戒解雇の形式を採用することなく、円満に退職せしめることを企図した儀礼的社交的辞令に過ぎなかつたのである。

次に原告は本件解雇を非情不当と非難するけれども、原告日々の勤務行動には被告会社の企業維持存続のためにも危険乃至不安を感ずるものがあつたところ、偶々原告に係る賍物運搬被疑事件の発生に及び従来の危険不安が一層増大したので解雇したもので、解雇権の濫用ではない。原告は本件解雇により「生活の途を絶たれ餓死に追いやられるに等しく」と述べていたが、被告は所定の解雇手当を提供するもので原告がその職を求めんとする希望があり、且つ原告誇称の如く、会社第一顧客本意で無事故多年経験ある運転手であるならば、被告会社に就労して気拙い思いをするよりも更に待遇のよい勤先が多々あるべき筈である。

原告は被告会社に勤務の傍ら古銅鉄商山西道夫(原告の通称)なる名刺を持廻つて商才を発揮していたのであるから、平凡な失業者と類型を異にする人物であり、尚会社を止めても生活に困ることはないと常に豪語していた位である故、原告の右主張は措信できない。

七、請求原因第七項の冒頭において、原告は被告の解雇が行過ぎであり不当である旨主張するが、被告会社の解雇は前述の理由により合理的であり妥当である。

原告が本件解雇により賃金の損失を蒙つたとの主張は之を争う。

(1)  被告会社における従業員の賃金の支払は、毎月二十日に締切り毎月二十七日に支給するから、原告に対しても七月分の賃金は右の方針により支払うている。

七月二十日以降八月十日の解雇通知迄の期間中の賃金を支払わなかつたのは、労働基準監督署から、七月二十六日附を以て解雇予告除外の認定があつていたので、被告は原告に対し円満退職方を交渉したが妥結しなかつたからである。

被告会社は、若し原告が本件解雇の効力を争うの愚を反省して退職を申出るならば、当局の行政解釈に遵い賃金支払を拒むものではない。現に被告会社は、原告が当方の催告に拘らず、解雇手当を受領しないので昭和二十六年九月七日附を以て当局の指示通り右手当金を供託した事実によつて被告の誠意は示されているのではないか。

(2)  原告は同項(2)以下において、被告に対し解雇無効を前提として損害賠償の請求をするけれども、被告会社の解雇の意思表示は適法且つ有効である故原告の本訴請求は理由なきものと思料する。

故に原告の本訴請求に応ずることは出来ない。と陳述した。(立証省略)

理由

成立に争いのない乙第二号証の一、二(昭和二十六年七月七日附毎日新聞朝刊及び同日附夕刊フクニチ新聞の各記事の切抜)乙第四号証(解雇予告除外認定申請書)甲第二号証(解雇通知書)証人姉川定隆、村田定太郎、松浦政徳、児玉精吾、安元武雄、松永林の各証言と弁論の全趣旨を綜合すれば、原告は貨物自動車による貨物運送業を営む被告会社の最古参の従業員で、自動車運転の業務に従事していたものであるが、昭和二十六年七月五日賍物運搬の容疑で、久留米市警察署に逮捕され、このことが同月七日毎日新聞、夕刊フクニチ新聞等新聞紙上に報道され、被告会社は、此のため其の信用を失墜して営業上重大な打撃を受けたことを以て、労働者の責に帰すべき事由として同月二十一日久留米労働基準監督署に対し、原告に対する解雇予告除外認定の申請をし、同月二十六日之が、認定を受け同年八月十日原告に対し右事由を以て解雇の通知をしたところ原告は右解雇予告除外認定の取消を求むべく、同月十三日福岡法務局久留米支局長安元武雄、人権擁護委員児玉精吾、許斐朝男等と共に久留米労働基準監督署に到り、同人等の斡旋の下に右認定の取消を要求し、交渉の結果、右認定は之を取消すことなく被告会社は三十日分の解雇予告手当、賞励金及び休業手当を同月二十日被告会社本町支店において原告に支払い原告は同日退職願を被告会社に提出することゝなり、原被告双方とも之を承認円満妥結したが、原告は右期日に右本町支店に到らず右手当等を受取らず、退職願も提出しなかつたので、被告会社は、同年九月七日、福岡法務局久留米支局に対し、前示解雇予告手当等合計金一万五千四百三十八円の弁済供託をした事実を認めることができる。

然らば、前示認定の如く原告が、賍物運搬容疑で久留米市警察署に逮捕され、此の事が、新聞紙上に報道されたことが原告を解雇する理由として妥当なものであるかどうかを検討する、被告会社は斯る被疑事実は被告会社の就業規則第六十三条第三号「不都合の行為があつたとき」に該当する不信行為である旨主張するけれども、右被疑事件は理由は詳かでないが(原告は嫌疑なしとの理由によると主張する)検察庁において不起訴処分となつたことは、当事者間に争のないところである。されば、結果から見るときは、斯る嫌疑を受け、それが新聞紙に報道されたことにより、多少又は一時的に被告会社の信用を失墜し、営業上不利益を蒙つたとしても、此のことのみにより解雇することは余りにも、早計にして、苛酷であり、之を以て解雇以外の之よりも軽度の他の方法による懲戒を加えることなれば、格別、被告会社が定めた前示就業規則第六十三条第三号の不都合の行為があつたときに該当するものとして解雇の事由とすることは、穩当でないものと謂わねばならない。被告は、原告は右解雇事由の外従業員としての服務上数々の不都合な行為があつたので、偶々前示被疑事件の発生に際し、断固として解雇の通知をしなければならなかつたのである旨主張し、其の立証によれば従来原告に多少の不都合な行為があつたことは之を認められない訳ではないが、解雇しなければならない程の不都合な行為とは認め難く、又前示乙第四号証の解雇予告除外認定申請書の労働者の責に帰すべき事由にもかゝる記載なく又甲第二号証の解雇通知書にも解雇の事由として斯る事実は挙示してない。

故にかゝる不都合な行為を以て本件解雇の正当な理由と認めることはできない。

然るに、被告会社は、原告の前示被疑事実を以て前記の如く就業規則に違反するものとし、労働基準法第二十条第一項但書後段「労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合」に該当するものとして、前記の如く久留米労働基準監督署に対し解雇予告除外認定の申請をし同署において之を理由あるものとして認可したのであり原告は人権擁護委員等を頼み右認定の取消を要求したが取消されるに至らなかつたものである故に原告に対する右被疑事件が仮令即時解雇の事由として妥当を欠くものとはいえ該認定が取消されずに現存し被告会社が右認定に基き即時解雇の通告をした以上裁判所として被告会社に対し右解雇の意思表示の取消を命ずることはできないものといわねばならない。

仮に然らずとするも原告は右認定取消の要求交渉の結果、被告会社は原告に対し三十日分の解雇予告手当と賞励金及び休業手当を支払い原告は被告会社に対し退職願を提出することとし、右認定は之が取消をしないこととなり原、被告双方之を承認したことは前認定の通りである故、結局原告は被告会社の前示即時解雇を認めたものと謂わなければならない。而して解雇予告除外認定を得てする即時解雇の場合は本来之等手当の支払いは法律上必要条件ではないが、被告会社は、其の就業規則第六十三条において、三十日前予告するか又は三十日分の給与を支給した上解雇することと定めてあるので、事件を円満に解決するため又は恩恵的な意味において前示の如く解雇予告手当等を支払うことを約したものと思われる。然るに原告は之が支払期日支払場所に受け取りに行かなかつたので被告会社は之を供託したことは前示認定の通りである。

然らば本件解雇は結局昭和二十六年八月十日の解雇通知により完全に其の効力を発生したものと謂わねばならない。然らば其の余の双方の各主張争点については之が判断を待つまでもなく原告の本件解雇の意思表示の取消を求める本訴請求は其の理由がなく又此の請求を前提とする損害賠償の請求も亦其の理由のないこと当然である。

依て原告の本訴請求は全部之を棄却すべきものとし訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条を適用し主文の通り判決する。

(裁判官 竹田博吉)

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